← JIPA OI-WG ― 問いと軌跡 ROLE-PLAY CASE STUDY
ADVANCED A2 / 構想・骨子

暖簾を貸す
カネ久醤油・十年のライセンス

蔵を津波で失った老舗の醤油屋が、製造を内陸の同業にライセンスし、販売を元社員の営業所に任せて暖簾をつないだ。調印の日、商標も製法も守られた契約書は完璧に見える。卓はそこから時計を10年進める ── 暖簾は、誰の手の中に残っていたか。

位置づけ 上級コース A2 / 構想・骨子卓 6人 ・ 想定4時間時代 現代(震災の翌年から10年)状態 ハンドアウト・判定表あり / 未プレイテスト

STATUS骨子+判定表(未プレイテスト) ── プレイ可能な教材ではなく、設計の骨組みを示す文書である。

01

なぜ二本目の上級コースか ── 学ぶ側から、学ばれる側へ

A1『合資会社・扶桑電機設立交渉』で受講者が座るのは、技術を学び取る側の席である。「特許だけ買う」と国産化に失敗し、人の移転まで設計した卓だけが学び切る。A2 は同じ構図を裏返す。受講者が座るのは、学ばれる側 ── 自分の味と名前を他社に預ける老舗の席である。

A1 の外資ジーゲル社が恐れたことを、A2 では自分が恐れる番になる。製法を渡し、職人を派遣し、得意先を元社員に任せる。ライセンスが成功するほど、価値は相手の側に育つ。商標と製法を契約で囲っても、その流れは止まらない。止まらない流れを前提に、10年後に何を手元に残すかを設計できるか ── それがこの卓の問いである。

もう一つ、A2 は知財部のない会社の卓である。社員数名の老舗に知財担当はいない。知財の専門家として卓に座るのは、復興支援の無償相談で入った外部の弁理士ひとりである。受講者が普段いる「部」の後ろ盾がない場所で、専門性だけを持って相手の事業に入るとき何ができるかも、この卓は試す。

02

着想と、描かないもの

本シナリオは、震災で工場を失った地方の老舗醸造業者が、同業へのライセンスと元社員による販売でファブレス化した、公開された復興事例に着想を得ている。

社名・人物・地名・契約条件・その後の経緯はすべて架空であり、実在の企業や提携先のその後を描いたものではない。卓の10年後に起きることは、史実ではなくその卓が調印した契約条項から判定表で決まる。A1 にある史実照合は、A2 には置かない。照合の相手は史実ではなく、別の卓が結んだ別の契約である(09)。

03

共通情報 ── 全員が読んでいるもの

カネ久醤油は、沿岸の港町・潮見で明治初年から続く醤油蔵である。従業員は二十数名。売上の柱は、町内の得意先を定期的に回って注文を取る「御用聞き」で、町の台所の味として知られてきた。

震災の津波で、蔵・工場・事務所・顧客名簿が流された。残ったのは、社長が持ち出した仕込みの記録帳と、登録商標「カネ久」だけである。社長は全従業員をいったん解雇した。

内陸の同業・堀内醸造が、自社工場でカネ久の味を造ることを申し出た。元工場長が堀内の工場に入り、両社の職人で味の再現に取り組む。別に、元営業の数名が個人事業として「潮見営業所」を立ち上げ、カネ久の商品を仕入れて御用聞きを再開する準備をしている。

今日は、三者の契約を結ぶ日である。カネ久には、復興支援の無償相談で東京の弁理士が付いている。調印のあと、卓の時計は10年進む。

04

五層モデルによる設計 ── L1 は「10年後に暖簾がどこにあるか」

A1 と同じく、L1 は開示でも推理でも開かない。時計を進めることでしか開かない。違いは、開く装置が史実ではなく年次イベント判定表であることだ。調印した条項の有無によって、同じイベントが卓ごとに違う結末を連れてくる。

L1

真相層

暖簾の本体は、登録商標でも記録帳でもなかった。味は職人の手に、信用は得意先との関係に宿っていた。ライセンスはその二つを相手の側で育て、10年後の更新の日に、カネ久の手元には登録証と紙だけが残る ── ただし、それは条項を書かなかった卓での話である。

L2

粒子層

割符は三組。①味は人に付く(元工場長 × 堀内・製造部長)②得意先は誰のものか(カネ久社長 × 潮見営業所代表)③名前で売れているのか、味で売れているのか(弁理士 × 堀内社長)。三組とも、話さなければ調印の場では見えない。

L3

配線層

四本の配線。①「商標と製法で囲う」契約が、調印時の採点で最も高く出る ②年次イベント判定表で時計を10年進める ③カネ久の再建資金は乏しく、調印を急ぐ理由が社長の側にある ④更新の日の交渉力は、そこまでに価値がどちらへ流れたかで決まる。

L4

動機層

6役に目的関数を配る(05)。堀内も営業所も、善意で始め、合理的に離れていくように書く。収奪者は一人もいない。誰も裏切らないまま、価値の置き場所だけが動いていく卓にする。

L5

進行層

読込 → 各陣営の内部会議 → 三者交渉① → 追加情報 → 三者交渉② → 調印 → 時計を進める(2年・3年・5年・7年・10年) → 他卓との契約比較デブリーフ。判定を挟むぶん4時間を見込む。

05

卓構成 ── 6役の骨子

支援弁理士が、受講者が普段演じている役の位置にあたる。B1・B3 の「知財担当」の、部の外での姿である。

6役と情報粒子
役単独情報割符言いにくい真実目標
カネ久醤油・社長(七代目)再建資金は乏しく、蔵を建て直す見込みは立っていない得意先は暖簾の本体だと思っているが、名簿は流された(潮見営業所代表と対)ファブレスは一時避難だと周囲に言っているが、本心では蔵を再建する気力がもうない暖簾を次の代へ残す
カネ久醤油・元工場長堀内の工場で仕込みを指導している記録帳どおりでは同じ味にならない。仕込みの見極めは自分の手にある(堀内・製造部長と対)あと3年で定年。カネ久に後継を育てていない。堀内から転籍の誘いを受けているカネ久の味を絶やさない
支援弁理士(主役)「カネ久」は登録済み。製法は営業秘密として管理できる商標の価値は、客が「カネ久」の名前で買っているという前提に立っている(堀内社長と対)醸造業の現場を知らない。契約書の雛形は、IT企業のソフトウェアライセンスを転用しているカネ久の権利を、契約で漏れなく守る
堀内醸造・社長自社ブランドの売上が縮み、工場の稼働率を受託で埋めたい試験的に自社ラベルで同じ味を出したところ、売れ行きはほとんど落ちなかった(弁理士と対)震災直後の善意で引き受けたが、提示された分配率では3年目から採算が合わない工場の稼働と、自社の将来の柱
堀内醸造・製造部長自社の若手が、仕込みの半分をもう覚えた3年あれば、元工場長なしで同じ味を出せる(元工場長と対)減塩版の試作を、自社の判断で始めている工場を回せる技能を自社に蓄える
潮見営業所・代表(元カネ久営業)個人事業として開業し、仕入れ値と売値の差で食べている得意先の名簿は、自分たちが一軒ずつ歩いて作り直した。営業所の帳簿にしかない(カネ久社長と対)自分も高齢で後継がいない。堀内から直接仕入れの打診が来ている得意先に、この町の味を届け続ける
06

ハンドアウト本文(6役)

実際に配るのは、その役の一人称で書いた読み物である。以下はその本文。共通情報(03)と合わせて配る。

カネ久醤油・社長(七代目)

記録帳と登録証。手元に残ったのはそれだけだ。堀内さんの申し出は、正直に言ってありがたかった。弁理士の先生は「商標と製法さえ押さえておけば、ブランドはカネ久のものです」と言う。そうだろうと思う。だが、うちの醤油を買ってくれていたのは、ラベルではなく、毎月勝手口に来る営業の顔だった気もする。その名簿は流された。営業所の連中が一軒ずつ歩いて作り直していると聞いた。……蔵を建て直すと、皆には言っている。建て直す金も、気力も、本当はもうない。だからこの契約は、仮の住まいではなく、たぶん終の住処になる。

カネ久醤油・元工場長

記録帳には配合と温度が書いてある。書いていないのは、その年の大豆の顔を見て塩水を加減するところと、麹室の匂いで引き上げどきを決めるところだ。堀内の工場で三か月やって、ようやくうちの味に近づいた。堀内の若い連中は筋がいい。あと三年もすれば、俺がいなくても同じものを造るだろう。それでいいのか、自分でも分からない。定年まであと三年。カネ久には、俺の次がいない。堀内の社長からは「定年後はうちに来ないか」と言われている。

支援弁理士(主役)

相談を受けたとき、骨格はすぐ見えた。「カネ久」の商標権は生きている。製法は営業秘密として管理し、ライセンス契約で使用範囲と秘密保持を定める。ロイヤリティは売上連動、監査権を付け、商標の表示方法と品質基準を規定する。手元の雛形は、以前担当したソフトウェアライセンスのものだが、権利の構造は同じはずだ。醸造の現場は見たことがない。だが、権利で囲えば、価値が外へ漏れることはない ── これまでの仕事は、ずっとそうだった。

堀内醸造・社長

震災のあと、同じ組合のよしみで声をかけた。カネ久の味をここで絶やすわけにはいかない、と本気で思った。それは今も変わらない。ただ、うちも楽ではない。自社ブランドは年々縮み、工場は半分遊んでいる。受託で稼働を埋められるのは助かるが、提示された分配率では、三年目から赤字になる計算だ。それから、誰にも言っていないことがある。試しに自社のラベルで同じ味を出してみたら、売れ行きはほとんど変わらなかった。客は名前ではなく、味で買っているのかもしれない。

堀内醸造・製造部長

元工場長の仕込みは、見ていて惚れぼれする。若手には全部盗めと言ってある。もう半分は覚えた。あと三年あれば、元工場長なしでも同じ味を出せる。それから、社長には報告済みだが、カネ久の配合をもとに減塩版の試作を始めている。病院や高齢者施設から要望が多いからだ。この減塩版がどちらのものになるのか、誰も決めていない。

潮見営業所・代表(元カネ久営業)

三月で全員解雇された。恨んではいない。仕方がなかった。仲間と金を出し合って、プレハブの営業所を建てた。名簿も帳簿も流されたから、覚えている家を一軒ずつ訪ね歩いて、名簿を作り直している。今のところ、それは営業所の帳簿にしかない。俺ももう若くない。後を継ぐ者はいない。先日、堀内さんの営業から「うちから直接仕入れないか、そのほうが安い」と言われた。まだ返事はしていない。

07

争点粒子

六つの争点が同時に卓上にある。A1 の六つと一対一で対応する(10)。どれか一つを固めても、他が空いていれば10年後には負けるように配線する。

三者の契約に載るもの
  1. 何を許諾するか ── 商標だけか、製法までか、職人の派遣までか
  2. 人の帰属 ── 元工場長は出向か転籍か。カネ久側の後継を誰がどこで育てるか
  3. 改良の帰属 ── 減塩版のように、預けた先で生まれたものは誰のものか
  4. 得意先の帰属 ── 営業所が作り直した名簿と得意先との関係は、誰の資産か
  5. 分配率と見直し ── いくらで分け、いつ見直すか
  6. 終わり方 ── 更新しない場合、商標・製法・在庫・得意先・職人をどう引き継ぐか
08

中核の仕掛け ──「商標と製法で囲う」罠

支援弁理士の手元にあるのは、教科書として完璧な契約である。商標の使用許諾、製法の秘密保持、売上連動のロイヤリティ、監査権、品質基準、表示方法。調印時の採点表(09)は、この契約に最も高い点を付ける。カネ久の権利は、紙の上では一つも漏れていない。

だがこの契約は、人・改良・得意先・終わり方の四つについて何も書いていない。ソフトウェアのライセンスなら、それで足りた。コードはコピーされても作者の手元に残り、顧客との関係は製品の外にはない。醤油は違う。味は職人の手に宿り、信用は勝手口に来る人に宿る。年次イベントは、その空白に一つずつ流れ込む。

これは A1 の「特許だけ買う」罠の鏡像である。A1 では学ぶ側が「紙だけ買えば足りる」と考えて失敗する。A2 では学ばれる側が「紙で囲えば足りる」と考えて失敗する。どちらも、価値が紙の外にあることを見落とす同じ誤りである。

09

時計を進める ── 年次イベント判定表

調印のあと、GM は年次イベントを一枚ずつ開く。各イベントは契約の特定の条項を参照し、その条項が「ある卓」と「ない卓」で結末が分かれる。GM の裁量は入らない。結末は卓の契約書が決める。

年次イベントと判定(参照条項の有無で分岐)
年出来事参照する条項条項がある卓条項がない卓
2年目堀内の受託部門が赤字になる分配率の見直し条項協議で分配率を改定し、堀内は品質への投資を続ける堀内は不満を抱えたまま、カネ久向けの工程から人と設備を少しずつ引き上げる
3年目元工場長が定年を迎え、堀内から転籍の誘いが来る人の帰属・後継育成の条項元工場長は出向のまま退任し、カネ久が採用した若手が仕込みを継ぐ元工場長は堀内へ転籍する。カネ久の味を出せる人は、全員が堀内の社員になる
5年目堀内が減塩版を完成させる改良の帰属・実施の条項減塩版はカネ久の名で発売され、改良の権利は両社で持つ堀内は減塩版を自社ブランドで発売する。病院・施設向けの新しい販路は堀内のものになる
7年目営業所の代表が引退する得意先・名簿の承継の条項(三者)名簿と得意先はカネ久の販路として次の担い手に引き継がれる代表は名簿ごと営業所を畳み、得意先は堀内からの直接仕入れに切り替わる
10年目契約が満了し、更新の交渉に入る終了・移行の条項条項どおりに更新するか、定めた対価と移行期間で暖簾を堀内に引き継ぐカネ久に残るのは登録商標と記録帳だけである。堀内は更新に応じる理由を持たず、契約は解消される

最後の行が L1 である。解消そのものは失敗ではない。終わり方を最初に書いた卓では、10年目の解消は設計どおりの事業承継になり、暖簾は堀内の手で続き、カネ久は対価を受け取る。書かなかった卓では、同じ解消が、手元に紙だけを残して起きる。

デブリーフでは、同じ日に別の卓が結んだ契約書を並べて読む。どの条項の一行が、どの年のイベントで結末を分けたか。A1 の史実照合に相当する装置である。

10

採点表 ── 調印時と10年後

調印時の採点は、各役の目的関数の達成度で付ける(0〜3)。10年後の採点は、暖簾がどこに、どの形で残ったかを五つの指標で付ける(各0〜2、計10)。主役の支援弁理士には、カネ久の側の10年後の点がそのまま返る。

10年後の指標(カネ久側)
指標2点1点0点
暖簾カネ久の名で商品が売られ、町で通じている名前は残るが、売り場の主役は堀内ブランドカネ久の名で売られていない
味カネ久の側に、味を出せる人がいる人は堀内にいるが、契約で技能の提供を受けられる味を出せる人は全員、契約の外にいる
得意先得意先にカネ久の名で届いている得意先は残るが、仕入れは堀内からの直接得意先がどこにいるか、カネ久は知らない
収益分配か譲渡対価で、カネ久に収入がある収入は細っているが続いている収入がない
関係堀内・営業所と次の10年を話せる関係は残るが、取引は事務的解消のあと、連絡を取っていない

参考として二つの卓の点を置く。教科書卓(商標と製法だけで囲った卓)は、調印時に支援弁理士が 3/3 を取り、10年後のカネ久は 暖簾0・味0・得意先0・収益0・関係1 で 1/10。設計者卓(人・改良・得意先・終わり方まで書いた卓)は、調印時に分配率と派遣条件で譲ったぶん支援弁理士が 2/3、10年後は 暖簾2・味1・得意先2・収益1・関係2 で 8/10。

この差は、条項の巧拙ではなく価値がどこに宿るかの見立てから出ている。設計者卓の弁理士がしたことは、醸造の現場に一度入り、元工場長と営業所の代表に話を聞いたことだけである。

11

基礎コース・A1 との対応

A2 は新しい論点を持ち込まない。B3 で扱った改良の帰属と、A1 の六つの争点が、学ばれる側の席から見えているだけである。

論点の対応
基礎コースA1 扶桑電機(学ぶ側)A2 暖簾を貸す(学ばれる側)変わっていないもの
B1 残留記憶条項技術者派遣の人数と年限元工場長の出向/転籍と後継育成人に付いた知識をどう扱うか
B3 改良発明の帰属改良発明の帰属減塩版の帰属預けた先・学んだ先で生まれたものは誰のものか
B1 秘密情報の定義輸出可能地域得意先と販路の帰属どこまでを相手の事業として認めるか
―資本比率分配率と見直し誰が、どれだけ取り続けるか
―商標暖簾(商標+得意先の信用)名前で売れているのか、中身で売れているのか
隠し評価(推進・信頼)5年後判定+史実照合10年判定+他卓との契約比較調印時の点と、長期の帰結の乖離
12

理論への接続

専有可能性と補完資産

イノベーションの利益は、権利で守れる度合い(専有可能性)が弱いとき、製造設備や流通網といった補完資産を握る側に流れる。カネ久が持つのは商標と記録帳で、補完資産 ── 工場、職人、得意先 ── はすべて相手の側にある。商標の専有可能性は、消費者が名前で買っているかぎりで効く。堀内社長の割符(自社ラベルでも売れた)は、その前提が崩れていることを示している。

関係特殊的投資と更新時のホールドアップ

堀内は工場と人を、営業所は足と時間を、カネ久向けに投じる。10年の間に、その投資の成果 ── 技能、改良、名簿 ── は投じた側に蓄積する。更新の日の交渉力は、契約書の条文ではなく、そこまでに価値がどちらへ流れたかで決まる。終了条項を最初に書くのは、この流れの行き先を、交渉力が対等なうちに決めておくためである。

知財は事業承継の道具でもある

ライセンスは永続の形ではなく、移行の形として使える。終わり方を設計した卓では、10年目の解消は、暖簾を担える者へ渡す事業承継になる。権利を手放さないことではなく、暖簾が続く形を選ぶことが、この卓の勝ち筋である。

13

学習目標

A2 で持ち帰らせるもの
  1. ライセンスは成功するほど、価値を相手の側に育てる。それを止める条項はなく、行き先を決める条項だけがある
  2. 契約の雛形は、価値が宿る場所の違う事業には移植できない。最初にすべきは、現場で価値の置き場所を見立てることである
  3. 終わり方を最初に書くこと。解消は失敗ではなく、設計されていれば事業承継になる
  4. 部の後ろ盾がない場所で専門家にできることは、権利で囲うことより、当事者に話を聞きに行くことである
14

入稿までに残っているもの

A1 で未決だったハンドアウト本文と長期採点表は、A2 では埋めた。卓に出す前に、まだ以下が要る。

プレイテスト

判定表の分岐が、調印時の採点をどの程度ひっくり返すか。教科書卓 1/10 と設計者卓 8/10 は設計上の想定値であり、実際の卓で確かめていない。

調印時の採点表の具体値

教科書どおりの契約が、調印時に確実に最高点になるか。ここが崩れると罠が発動しない。

震災を題材にすることへの配慮

受講者には被災の経験を持つ人がいるかもしれない。被害の描写は最小限にとどめ、読込の前に題材を予告し、席を外せることを明示する。デロールは A1 よりさらに丁寧に置く。

着想元への確認

着想元の事例を研修で紹介する場合は、公開資料の範囲に限る。その後の経緯を推測で語らない。卓の10年後は、どの実在企業の10年後でもない。